「ヤーコ・セイックラと私は共同でこの本を書いた。ヤーコが開発し、精神医療でやってきたオープンダイアローグと同様に、わたしがソーシャルワークの領域でやって来た方法を「Multi-helper model」と呼んでいるが、それはソーシャルワーカーだけでなく、学校教師などいろいろな専門職が、日々の生活のなかで、それぞれの視野を広げ、人々と深くふれあうために、ダイアロジカルな関係性をつくることを目的にしている。大切なのは他者への無条件のリスペクトである。私たちは皆それぞれ違うのだから、ダイアローグが必要なのだ。哲学者エマニュエル・レヴィナスはこういった。「他者というものは、つねに、私たちが全くもって知りうる以上のものなのだ」
・・・・・・オープンダイアローグがもっぱら耳目を集めているが、高木俊介さんの慧眼どおり、精神医療の分野を越えて、さらに汎用性のあるもう一つの方法論が、「未来語りのダイアローグ」である。オープンダイアローグが日本の精神医療の閉塞状況を打ち破って基本的方法になる未来がくることを望むのはもちろんだが、私自身は「未来語りのダイアローグ」がそれ以上に広く、広く、普及していくことを期待したい。 この動画でトムがてみじかにその意図するところをしゃべっている。
紀平省悟(和歌山つくし医療・福祉センター 小児科医)
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https://www.youtube.com/watch?time_continue=223&v=4Ix08L5ea20