千葉県でアンティシーペーションダイアローグ研修を実施し多くの方が参加されました。
「千葉でも同じでしょうか?」
保健・福祉・教育分野では、早期に対応していれば避けられていたかもしれないことを専門職は躊躇するという問題があります。
なぜなら困難ケースを取り上げることが問題を悪化させる可能性、関係が強化されるまで待つことで他の人が代わりにやってくれないかと期待してしまう現象、そういった問題を経験をした方々が千葉にもいるのではないでしょうか。
今回は、フィンランド国立保健福祉研究所元教授のトム・エリック・アーンキル博士を講師に、職場学習事業の研修を千葉県精神保健福祉センター主催、ダイアローグ実践研究所の共催で「フィンランドにおける対話的実践について学ぶ」と題して研修を開催しました。
課題となっていたのは、行政組織の縦割りでセクター化している現状を、包括的で関係性の上に成り立っている日常生活でどう機能させていくかでした。また、職業専門性に根付いた縦割りセクターは横断的統合に弱いという課題もあります。
アンティシペーションダイアローグにおいては、多様なコンテキスト(文脈)の中で共同活動の計画づくりにおいて適用された実績がフィンランドにあります。例えば、チーム・部署・行政機関での行動計画づくり、地域・市町村・都市計画づくりなどがあげられます。
今回は、この境界を乗り越えるための”対話性”をキーワードに日本でのインターフェイスの構築を考え、そのために必要となる対話空間構築について具体的に対話で深めて行きました。
後半は、NPO法人ダイアローグ実践研究所の理事でもある白木・村井2名のファシリテーターの元、八街市役所(やちまたしやくしょ)の障害福祉課と学校教育課、千葉県精神保健福祉センター職員によるアンティシーペーションダイアローグ演習を会場の壇上で行い、会場参加者にその様子を公開しました。
参加者は100名ほどで、質疑応答や最後に行った小グループでの振り返りでは会場の反響も大きくなり、今後どのように実践されていくか期待されます。
文責 瀧 泰元